十数年前の

十数年前入手した刃艶で硬軟二振りの刃取りを行なう。
この石は某山某層の物ですが思えばここ十数年これ系を主に使用している事になります。
もちろん一般的な山とその層の石も使ってはいますが好みの問題で私には使い辛い。 結果的に一番好きなこの山の石を使っています。

刃艶として使用するには薄く磨った石に漆などで和紙を貼るのですが、石を薄く磨る段階で石の硬軟や粘り、弾力などが分かります。
同じ石でも採取時期や同層内の細かな位置の違いにより質は大きく変わります。
私の好きなこの石は出合った当初から砥質のバラつきが特に酷いと感じていました。
しかし研磨の対象である刀の方も硬い物と柔らかい物では驚くほどの差があります。 
”力”さえ有る石ならば上手に使えば「砥質のバラつき」と言う一見ネガティブに聞こえる要素も実は極めて有効な物と成る訳です。
そう言う意味で今回は均一でない砥質に本当に助けられました。

それにしても「刃取り」は難しい・・・。
私は体質的にかなり酷使しても手の皮が厚くならないタイプなのと、手の動きがあまり平地に触れずに刃取る癖が有るので刃取りに何日も時間をかけても平地を汚す事は有りません。 これは偶然の事で非常に助かって居るのですが、なるべく日数は減らしたいものです。 ほんと大変ですので・・・。